相続の知識は不動産営業に役立つのか?

最近、相続対策がブームです。

自分の相続対策を表す言葉として「終活」という言葉もできました。

遺言の書き方の本もたくさん出ています。

そして、保険会社や信託銀行、さらには不動産会社が相続のセミナーをたくさん実施しています。

ところで、なぜ、相続と不動産が絡むのでしょうか。

一つは、親の財産を相続した後、不動産売買が絡むことが多いからです。

親が一戸建てを持っていたが、子ども3人が相続をした。

一戸建てを3人で、ノコギリで切って分けるというわけにはいきませんね。

(3人で共有ということも考えられるが使いにくい)。

そこで、一戸建てを1人が相続して、他の2人はお金をもらうという選択がされるわけです。

しかし、現金がなければ、あとは不動産を売って、お金に変えて、3人で分けるしかない。

そのような現象が数多く起きています。

相続に不動産売買が関連する理由です。

2つ目に、今度は相続対策として、亡くなる前に現金を不動産に変えるケース。

不動産に変えると、相続税の算定にあたっては、実際の取引価額より安く評価される可能性があります。

そこで、相続税対策として、不動産を購入される方もいるのです。

とすれば、相続対策や、相続の結果として不動産の売買を考えている人に営業をかけるには、

相続の知識が必須ということです。

相続は、法務と税務が絡んだ複雑なものです。

特に民法と相続税法です。

でも、相続の法務と税務の知識を身に付ければ、相続に関連する不動産営業ができるようになります。

相続には、多数の不動産会社が参入しております。

その意味でブルーオーシャン(ライバルが少ない業界)ではありません。

しかし、相続は需要が大きいので、まだレッドオーシャン(ライバルが多すぎて、血で血を争う状態)にもなっていません。

今が参入するチャンスです。

相続の法務と税務の知識を身に着け、営業に役立てましょう。

用途地域規制とは

第一種低層住居専用地域,田園住居地域,準工業地域などの単語を聞いたことはありませんか。

第一種低層住居専用地域(名前長いな、、、)だから、住居専用なんだよね?って答えた方。

おしい!9割正解ですが、住居以外にも使えるんです。

このあたりは、宅建士の資格をお持ちの方には当たり前かもしれませんが、少し解説していきます。

上記の「第一種低層住居専用地域,田園住居地域,準工業地域」などのことを、「用途地域」といいます。

行政が、このエリアは住宅街にしたいな、と考えたならば、そのエリアを「第一種低層住居専用地域」などの住居系の用途地域に指定します。
すると、そのエリアには、原則、住居以外建てられなくなります。

もう少し突っ込んで説明すると(不動産営業にも必要な知識なのでお付き合い下さい)、建物を建てるときは、建築計画が法令に適応しているか否か行政の確認を受ける必要があります。これを「建築確認」といいます。建築確認については建築基準法に定められています。

もう10年以上になりますが、ある建築士が建築確認に、偽装した計算データをだし、建築確認が下りてしまった事件がありました。いわゆる、耐震強度構造計算書偽装事件です。
これも建築確認に絡む事件になります。

脱線しましたが、東京都港区青山〇〇というところが、仮に第一種低層住居専用地域に指定されたとすると、
そこに、一戸建ての住宅を建てるための建築確認は通るが、デパートを建てるための建築確認は通らないということになります。

ちなみに、第一種低層住居専用地域には、住宅の他に、住宅兼用店舗(条件あり)、図書館、幼稚園、小学校、中学校、宗教施設、老人ホーム等も建設できます。

用途地域は話題になることがあるので、ぜひ概要だけでも知っておきたいですね。

宅建の免許が必要な取引

不動産業者が、土地を売却したり、大家さんの持っているアパートを貸し出したりする際には宅建業の免許が必要です。

一方、自分の持っている家を貸し出すには宅建業の免許は不要です。

何が違うのでしょうか。

 まず、宅建業の免許が必要な(宅建業法が適用となる)取引には、限定があります。

1 「自ら売買」「自ら交換」
 自分の所有している宅地や建物について売買契約を締結したり、交換契約を締結したりする行為です。
たとえ、不動産業者に代理を頼んでも、自分の所有する宅地を売っていることに変わりがなければ、自ら売買となって、宅建業の免許が必要です。

※「業として」
 ここで、じゃあ自分の持っている一軒家を売るにも宅建業の免許が必要か?と思った方もいらっしゃるでしょう。
 結論として、マイホームを売る者は宅建業の免許は不要です(媒介する業者等には必要です)。

 なぜなら、「業として」取引をしない限り、宅建業の免許は不要だからです。

「業として」とは、「不特定かつ多数人に対して」「反復継続して」取引を行うことです。
マイホームを反復継続して売買する人はなかなかいませんので、マイホームの売却に宅建業の免許は不要なのです。

 なお、自分の物件の賃貸についても、宅建業の免許は不要です。
アパート経営には、免許がいらないのですね。

2 代理、媒介
 宅地や建物の売買、交換、賃貸の代理、媒介をするには、宅建業の免許が必要です。
 代理とは、他人に代わって契約をなすことです。
 媒介とは、売主や買主などの当事者を引き合わせることをいいます。

宅建業の免許とは

不動産事業をやるには、免許が必要だということは聞いたことがあるでしょう。

その免許のことを、宅地建物取引業免許(宅建業の免許)といいます。

宅建士の資格と関係はありますが、別のものです。

宅建業を営む法人または個人事業主が受けなければならない免許(宅地建物取引業法(以下「宅建業法」といいます3条1項)です。

あ、別に条文は読まなくてよいですよ。あくまで、必要な人だけ参照してください。

しかし、不動産を売ったり貸したりする場合に必ず必要かというと、そうではありません。

例えば、大家さんAが自分の物件をBに貸す、これは宅建業の免許不要です。

同様に、個人のAさんが自分の持っている土地を、不要だからとBに売る。これもAさんがたまたま土地を売っただけなら、免許は不要です。

さらに、不動産のお客さんを不動産屋さんに紹介していつもマージンをもらっているAさん、これも免許は不要です。

実は、宅建業法2条2号に、宅地建物取引業の定義があります。

「宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」

この定義を知っておくことは重要です。

免許を持たなくてもできることを知ることですから。

次回はこの宅建業の定義について解説します。