これまで、不動産を取得する際に課される税金として
(1)印紙税
(2)消費税
(3)固定資産税
(4)登録免許税
(5)贈与税
が課される場合があるというお話しをしました。今回は、この内(5)贈与税について詳しくみていくこととしましょう。
不動産は通常高額であることが多く、貯金など自分で持っている資金だけで購入することは珍しいでしょう。そこで、多くの場合が銀行などから借入れをします。しかし、銀行から借入れをすると返済期間が長くなりがちであり、将来の収入や健康状態などの理由により完済できるか不安になることもあります。このような時、不動産購入に際して親から資金の援助を受けるケースが増えています。
このような場合、親から資金援助を受ける方法として
①親からお金を借りる方法
②親と不動産を共有して持つ方法
③親から不動産購入資金をもらう方法
が考えられます。
この内、③親から不動産購入資金をもらう場合、贈与税が課されることがありますので注意が必要です。では、どんな場合に贈与税が課され、どんな場合に課されないのか検討しましょう。
1、先ず、各年の1月1日から12月31日までの1年間で親から贈与された金額の内、110万円を超える金額については贈与税が課されます。
贈与税の計算と税率(暦年課税)については、以下を参照してください。
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/4408.htm
2、次に、親やおじいちゃんなどから住宅を購入するための資金として贈与を受けた場合には、最高で1,200万円までは非課税となり税金がかかりません。詳しい要件などのついてはこちらを参照してください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
3、また、親やおじいちゃんなどから不動産購入に必要な資金が贈与してもらった場合に、2,500万円までは贈与税がかからない相続時精算課税精度というものがあります。これは、2,500万円までは贈与税がかからず、それを超えるとその超えた部分について20%の税金がかかります。しかし、この超えた部分について20%の税金を支払えば、それで終わりというものでありません。相続時に、この制度を利用した財産と相続財産を合計して相続税を計算することになります。すなわち、相続財産の前払いに過ぎないということです。また、この精度を1度選択すると、1、の暦年贈与が二度と使えなくなりますので注意が必要です。詳しくお知りになりたい方はこちらを参照してください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm
このように、贈与税は高額になることが多く、また、一度選択してしまうと撤回することができない場合があります。そのため、事前に税理士と十分に打ち合わせをするなどしっかりとご理解いただいた上で不動産をご購入する際、贈与をご活用ください。